歯周病は歯肉や歯を支える骨にダメージを与え、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともある病気です。
しかも症状が進行しても痛みなどの明確なサインが出にくいため、気づかないまま悪化してしまう場合が少なくありません。
当院では、この歯周病を早期に見つけ、進行を抑え、再び悪くならないようにサポートすることを大切にしています。

歯周病の特徴と怖さ

歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌が原因となり、歯ぐきやあごの骨を徐々に侵食していく病気です。
初期段階では歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシング時に出血したりする程度ですが、症状が進むと歯がぐらついてくる、噛むと痛いなどのトラブルを引き起こします。
痛みが出るころにはかなり進行している場合が多いので、本人が気づいたときには手遅れになりかねない点が大きな怖さでもあります。
また、喫煙や糖尿病、ストレスなど、全身の状態や生活習慣が歯周病を加速させる要因になることも少なくありません。

歯周病の特徴|オーデンタルケアクリニック

当院の歯周病治療の基本方針

歯周病は日常のセルフケアとプロのケアの両方を組み合わせることで、進行を抑えたり改善へと導くことが可能だと考えています。
症状が出てから「治す」のではなく、「悪化を防ぎ、良い状態を維持する」視点を大事にしています。
そのため、痛みがある方には応急処置を行いますが、同時に唾液検査を活用して歯周病リスクを評価し、ライフスタイルやブラッシング方法の見直しを提案するケースが多いです。

唾液検査によるリスク把握

歯周病の進行度は、口腔内の細菌バランスや唾液の状態とも深く関係しています。
当院では唾液検査を行い、歯周病菌の数や酸性度などを可視化し、患者様自身にもリスクを把握していただきます。
検査結果を踏まえたうえで、定期的なクリーニングやホームケアの方法をアドバイスし、負担の少ない形で歯周病を抑えていくことが目標です。
「なぜ歯周病が進んでしまったのか」を理解することで、再び同じ状態に陥らないようにする手がかりが見つかりやすくなります。

歯周ポケットの確認と適切な処置

歯周病の度合いを知るうえで欠かせないのが、歯周ポケットプローブなどを使ったポケットの深さの測定です。
歯と歯ぐきの間にある溝が深くなるほど、炎症が進行していると考えられます。
この測定結果とレントゲン(デジタルX線)画像などを照らし合わせ、軽度・中等度・重度などステージを把握し、それに合わせた処置を行います。
初期段階ならクリーニングやブラッシング指導で対処できる場合が多いですが、中等度以上になると、歯石の除去やレーザー機器による歯肉治療が必要となることもあります。

3DSによる根本的なアプローチ

歯周病が進行しやすい方や、唾液検査でリスクが高いと判定された方には、3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)を取り入れることがあります。
専用のマウスピースと薬剤を用いてお口の中の細菌バランスを整える方法です。
歯周病の原因菌をできるだけ減らし、炎症が再燃しにくい環境づくりに役立ちます。
通常のブラッシングだけでは届きにくい部分まで薬剤が行き渡り、予防効果が高まるといわれています。

機材を駆使した精密ケア|オーデンタルケアクリニック

機材を駆使した精密ケア

  • 超音波スケーラー
    音波の振動で歯石を効率よく除去し、歯面に余計な傷をつけにくいのが特長です。
  • レーザー機器
    歯肉や粘膜を切開したり、歯周ポケット内の細菌を除菌したりする際、出血や痛みを抑えて治療が進めやすくなります。
  • 歯周ポケットプローブ
    ポケットの深さを測定するための器具で、治療前後の変化を数値化できるため、患者様にも改善度合いがわかりやすいです。
  • 歯肉キュレット
    ポケット内に入り込んだ歯石をかき出す器具です。
    歯ぐきの形状やポケットの深さに合わせて使用し、内部を丁寧に清掃します。
  • 口腔内カメラ
    歯周組織の状態を拡大して撮影できるため、患者様が自分の歯ぐきを客観的に把握しやすくなります。

歯周病の治療手順

  1. カウンセリングと検査
    症状や気になる点をお伺いしながら、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、レントゲン撮影、唾液検査などで総合的に判断します。
  2. 歯垢・歯石の除去
    スケーラーや超音波スケーラーを用いて、歯や歯肉の境目、歯周ポケット内に付着している歯石を除去します。
    表面に残ったバイオフィルム(細菌の膜)も削ぎ落とし、炎症が起きにくい環境を作ります。
  3. 歯肉ケア・レーザー治療
    症状が進んでいる場合には、歯肉キュレットでポケット内部を清掃したり、レーザー機器を用いて患部の細菌を減らす処置を行うことがあります。
    出血や痛みを抑えつつ、効率的に炎症を沈静化させることを目指します。
  4. ホームケア指導
    毎日のブラッシングやデンタルフロスの使い方などを歯科衛生士が丁寧にお伝えします。
    必要に応じて、マウスウォッシュや歯間ブラシの選び方などもご案内し、再び歯周病が進まないように取り組みます。
  5. 定期的なメンテナンス
    いったん症状が落ち着いても、歯周病は再発しやすいため、定期的な検診とクリーニングを続けることが重要です。
    この際、唾液検査の再評価や3DSなどのアプローチも検討して、安定した口腔環境を維持します。

歯周病と全身との関係

歯周病は、お口の中だけでなく全身の健康とも深くつながっていると考えられています。
例えば、糖尿病の方は歯周病が進みやすいとされており、逆に歯周病が悪化すると血糖コントロールが乱れる可能性も指摘されています。
高齢者の方は誤嚥性肺炎のリスクが高まるなど、歯周病菌が原因となる全身疾患は多岐にわたります。
当院では、こうした背景を踏まえ、患者様の既往症や生活習慣を伺いながら総合的にケアを提案しています。

再発防止のための定期メンテナンス

歯周病は、一度治癒したと思っても、ホームケアが不十分になったり生活習慣が乱れたりすると再び悪化する可能性があります。
そのため、当院では治療が終わった後も定期的な検診を推奨し、歯石除去やブラッシング指導の見直しを継続します。
唾液検査の結果を定期的に確認し、必要に応じて3DSを繰り返すなど、患者様の状態に合わせて柔軟にプランを調整します。
これにより、長期的に安定した口腔環境を築けることを目指しています。

当院が自信をもって歯周病治療に挑む理由

当院では、歯周病治療に対して自信を持っております。
それは、唾液検査や3DSなどの科学的根拠に基づく手法を取り入れ、歯科衛生士との連携を強化しているからです。
口腔内カメラやデジタルX線を使った的確な診断により、患者様にも治療の意義を理解していただけます。
治療の進捗状況を定期的に確認し、一歩ずつ段階を踏んでケアしていくことで、多くの患者様が「歯を守れた」と実感されています。

歯周病は厄介な病気ですが、きちんとケアを続ければ怖がる必要はありません。
当院は、患者様の不安に寄り添いながら、痛みや負担をできるだけ軽減するアプローチを取り入れています。
レーザー機器を使った治療なども選択肢に入れることで、出血や痛みを抑えつつ進めることが可能です。
大切な歯を守り、長く健康に使っていただくために、精一杯サポートいたします。