歯の噛み合わせは、ただ食べ物を噛むだけの機能にとどまらず、顎関節や全身のバランスとも深く関わっています。
噛み合わせが乱れると、食事中の不快感や歯ぎしり・顎関節症などのトラブルだけでなく、肩こりや頭痛を引き起こす要因にもなるといわれています。
当院では、咬合分析器やマウスガード、オクルーザルスプリントなどの機材を活用して、患者様一人ひとりの噛み合わせを検査し、原因を明確にしたうえで治療を行う方針です。
さらに、必要に応じて矯正装置を用いた補正や、理学療法との連携も図りながら、全身的なバランスを考慮した包括的なアプローチを大切にしています。
噛み合わせが乱れると起こる問題
歯や顎への影響
噛み合わせが悪い状態が続くと、特定の歯や顎関節に過度な負担がかかり、歯のすり減りや顎関節の痛み、音(クリック音)などが出やすくなります。
顎関節症の症状としては、口の開閉時の痛みや違和感、硬いものを噛んだときの衝撃感が挙げられ、放置すると悪化するリスクがあります。
全身への影響
噛み合わせの乱れは顎や首の筋肉バランスに影響を与え、それが肩や背中の筋肉にも連動することで、肩こりや頭痛を誘発する可能性があります。
さらに、長年にわたって不自然な姿勢で噛み続けると、姿勢全体のバランスを崩すこともあり、全身的な負担が高まるといわれています。

当院が力を入れているポイント
咬合分析器を使った正確な診断

当院では、咬合分析器などの専用機材を用いて、歯の当たり方や力のかかり方を客観的に分析します。
どの歯が強く当たりすぎているのか、顎がどの方向にずれているかなどを数値化することで、原因を正確につかむことができます。
この分析結果を踏まえ、調整が必要な歯や噛み合わせのラインをピンポイントで把握できるため、効率的な治療計画を立てられます。
マウスガード・オクルーザルスプリントの活用

歯ぎしりや食いしばりが原因で、歯や顎関節に大きな負担がかかっている場合は、マウスガードやオクルーザルスプリントを活用することがあります。
就寝時に装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる力を和らげ、歯や顎関節へのダメージを軽減します。
これにより、朝起きたときの顎の痛みや歯のすり減り、筋肉のこわばりなどが改善されるケースが多く見受けられます。
矯正との連携
噛み合わせの乱れが歯並びや顎の骨格的な問題から来ている場合、矯正装置を用いた歯列矯正で根本から改善を図ることが有効です。
当院では、歯並びだけでなく咬合バランスを重視した矯正治療を行い、顎の成長や全身的なバランスを見ながら最適なタイミングでアプローチします。
成人の方でも、歯や顎の状態に応じて矯正治療を検討することで、長期的に安定した噛み合わせを得やすくなります。
理学療法との連携
顎関節症や噛み合わせ治療では、顎だけでなく首や肩周辺の筋肉にも着目します。
必要に応じて理学療法士などの専門家と連携し、全身的な筋肉バランスや姿勢の調整を併用するケースもあります。
姿勢や筋肉バランスを整えることで、顎関節症の症状が和らいだり、治療効果が安定しやすくなると期待しています。
噛み合わせ治療の流れ
1.検査とカウンセリング
顎関節や筋肉の状態、首や肩の凝り具合などもヒアリングし、総合的に判断します。
2.原因の特定
分析結果を踏まえ、どの原因を優先的にアプローチするかを決めます。
3.治療計画の作成
患者様と相談しながら治療期間や通院頻度、費用についてもわかりやすく説明します。
4.治療開始
矯正治療を併用する場合は、並行して歯列を整えながら噛み合わせが安定するのを待ちます。
5.フォローアップ
必要に応じてスプリントの再調整や、理学療法との連携を続けることで、長期的に安定した咬合を目指します。

噛み合わせ治療を受けるメリット
・顎関節症の改善
口を開けるときの痛みや音が減り、食事がスムーズになります。
・歯の寿命を延ばす
偏った力から解放されることで、歯や詰め物の破損、歯のすり減りなどを抑えられます。
・全身のバランス調整
首や肩の筋肉がリラックスしやすくなり、姿勢や頭痛などの症状が軽減される場合があります。
・ストレス緩和
歯ぎしりや食いしばりが軽減すれば、睡眠の質や日中の集中力にも良い影響が期待されます。
こんな症状があればご相談ください
- 朝起きたときに顎がだるい、歯がしみる
- 大きく口を開けるとカクカク音がする
- 食事のときに左右の歯が均等に当たっていない気がする
- 首や肩のこりがひどく、歯ぎしりの癖がある
- かみ合わせが原因で歯科治療が長引いている
上記のような症状に心当たりがある方は、早めに受診することで負担が少ない段階で対応できることが多いです。
噛み合わせ治療は長期的な視点が必要になる場合もありますが、根本的な問題を解決すれば、より快適な生活を取り戻しやすくなります。
当院では、咬合分析器やマウスガード、オクルーザルスプリントなどを活用して、患者様の噛み合わせを正確に把握し、症状や生活習慣に合わせた治療プランを作成します。
矯正治療や理学療法との連携も大切にしながら、顎関節症の基本治療や全身的なバランス調整を視野に入れ、痛みや不快感を軽減できるようサポートいたします。