歯ぎしりや食いしばり、顎の筋肉の過度な緊張などで悩んでいる方は、ボトックス治療を検討してみませんか。
ボトックスとは、特定の筋肉の活動を一時的に抑制する効果があり、主に顎関節症やブラキシズム(歯ぎしり、食いしばり)の症状を軽減するために応用されることがあります。
歯を守るためにスプリント(マウスピース)を使う方法が知られていますが、筋肉の強すぎる緊張をゆるめたい方には、ボトックス治療が有効な場合があります。
当院では、専門医療機関との連携を視野に入れ、慎重に適応を見極めながら、安心して受けていただけるボトックス治療を心がけています。

歯ぎしりや顎関節症に対するボトックス

口腔内のケアやスプリント装着などを行っても、噛みしめの力が強すぎる場合には顎周りの筋肉が過剰に働き続けていることが考えられます。
ボトックスを使ってこの筋肉の活動を緩めることで、歯ぎしりや顎関節症の症状を軽減し、朝起きたときのだるさや痛み、歯のすり減りを防げるケースがあります。
ただし、ボトックスはあくまでも一時的に筋肉の過剰な動きを抑えるものであり、根本原因がほかにある場合は併せて対処する必要があります。

歯ぎしりや顎関節症|オーデンタルケアクリニック

当院が力を入れているポイント

複雑な症例は専門医と連携

ボトックス治療だけでは対応しきれない顎の骨格的な問題や、全身の疾患が関わる場合は、専門医療機関と連携して治療計画を立てています。
矯正治療や理学療法など、必要に応じて複数の視点からアプローチすることで、より良い結果をめざします。
噛み合わせの乱れが原因なのか、筋肉の緊張が主な原因なのかを見極めながら、最適な治療法を提案します。

専門的な診断機材の活用

筋肉活動モニターなどを使い、実際にどの程度の力がかかっているのかを確認しながら注入量や注射部位を細かく決定します。
ボトックス注射用の細い針を使うため、痛みや負担を抑えながら必要な箇所にピンポイントでアプローチできるのが特徴です。
局所麻酔用のクリームを使用することで、注射時の痛みをできるだけ軽減し、リラックスして受けていただけるよう配慮しています。

長期的なフォローアップ

ボトックスの効果は永久的なものではなく、数か月程度で薄れていくとされています。
当院では、効果が切れたあとも症状の再発を防ぐため、定期的に噛み合わせや筋肉の状態をチェックし、必要に応じて再注入を行います。
歯ぎしりが再発する時期や注入量の微調整などを繰り返しながら、患者様が快適な状態を保てるようサポートいたします。

ボトックス治療の流れ

ボトックス治療の流れ|オーデンタルケアクリニック
  1. カウンセリングと診断
    まずは歯ぎしりや顎の痛みなどの症状、生活習慣を詳しく伺い、口腔内や顎関節の状態を確認します。
    筋肉活動モニターなどの機材を活用し、過度な緊張がある部位を特定します。
  2. 治療計画の立案
    ボトックス注射が適応になるかどうかを慎重に判断し、他の治療法(スプリント、矯正など)との組み合わせも検討します。
    ボトックスのメリットやリスク、費用や効果持続期間などを丁寧に説明します。
  3. 注射の準備
    局所麻酔のクリームを塗布して痛みを抑え、注射部位を正確に把握します。
    骨格や筋肉のつき方によって注射箇所や深さを見極めます。
  4. 注射実施
    ボトックス注射用の細い針を用い、狙った筋肉に必要量を注入します。
    注射後はしばらくそのまま安静にし、腫れや痛みがないか確認します。
  5. 経過観察とメンテナンス
    効果の現れ方を数週間かけて観察し、噛み合わせや筋肉の緊張状態が改善するかを確認します。
    効果が消失してきたら再注入を検討し、日々の歯磨きやストレス管理なども含めて指導します。

ボトックス治療のメリットとリスク

メリット

  • 歯のすり減りや顎の痛みの軽減
    歯ぎしりや食いしばりの力が緩和されることで、歯や顎関節への負担が減る可能性があります。
  • 比較的短時間で済む処置
    注射自体は数分から10分程度で完了し、通院回数も比較的少なく済みます。
  • 生活の質が向上
    顎の筋肉の緊張が改善すれば、朝起きたときのだるさや頭痛が和らぐこともあり、快適な生活が期待できます。

リスク

  • 効果の持続期間が限られる
    数か月かけて徐々に効果が薄れるため、定期的な再注入が必要です。
  • 表情筋への影響
    注入部位によっては表情にわずかな変化が生じる可能性があり、注射部位の選定が重要です。
  • 腫れや内出血
    針を使用するため、ごくまれに腫れや内出血が起こる場合がありますが、通常は数日で落ち着きます。

こんな方は相談を

  • 歯ぎしりで歯がすり減り、むし歯や破損が進んでいる
  • スプリントを使っても顎や筋肉の症状が改善しにくい
  • 朝起きたときの顎の痛みやだるさが続いている
  • 噛み合わせは悪くないと言われたが、食いしばりが強い気がする
  • ストレスなどで無意識のうちに筋肉が緊張している

ボトックスは、筋肉の過度な活動を一時的に抑えるものであり、根本的な噛み合わせや骨格の問題がある場合は他の治療も必要になります。
しかし、歯ぎしりや食いしばりが主な原因の場合、ボトックスを取り入れることで症状が大きく改善し、歯や顎にかかる負担を大幅に軽減できるのが特長です。

長期的なケアを大切に

ボトックス治療を受けた後も、歯ぎしりや食いしばりの要因が完全になくなるわけではありません。
継続的にメンテナンスを行い、歯周病やむし歯のチェック、噛み合わせの確認も欠かせません。
定期的な通院で効果の持続期間や筋肉の状態を把握しながら、必要に応じて再注入や別の治療法を検討することが望ましいです。

噛み合わせや筋肉の緊張に悩んでいる方にとって、ボトックスは一つの有力な選択肢となり得ます。
当院では、専門医療機関との連携を含め、安全性と確実性を重視したボトックス治療を行っています。
歯ぎしりや顎関節症による痛み、歯の損傷に悩んでいる方は、一度ご相談ください。
食いしばりの力が緩和されれば、歯や顎を保護しながら心身ともにリラックスできる生活を取り戻せるかもしれません。